生物資源科学部の4教員がそれぞれ学会賞を受賞しました

2014年11月20日

石井将幸准教授と野中資博教授が農業農村工学会優秀論文賞を受賞

 平成26年8月26日、新潟市の朱鷺メッセで開催された平成26年度農業農村工学会大会講演会において、地域環境科学科の石井将幸准教授と野中資博教授は、吉岡裕次氏(北陸農政局農村計画部事業計画課)ならびに沖田和士氏(中国四国農政局農村計画部事業計画課)とともに、農業農村工学会優秀論文賞を受賞しました。対象となった業績は、「現場打ちRC開水路の施工精度に関する調査と分析」と題する論文です。

 石井准教授と野中教授は、鉄筋コンクリート造の農業用開水路に信頼性設計法を適用して破壊確率を求めるという目標の元で、各農政局の土地改良技術事務所の多大な協力を受け、実際の水路を対象とした施工精度の調査を実施しました。そしてその結果を統計的に分析することで、有効高さと呼ばれる量の標準偏差を決定しました。施工誤差によって有効高さが小さくなると水路の強度が設計より低下してしまい、逆に大きくなると強度が増大します。強度が増すのは良いことのようにも思えますが、鉄筋が錆びやすくなって強度が時間とともに急激に低下する危険性が生じます。水路の施工精度の実態を明らかにしたことは、水路の破壊確率や耐久性を求めるうえで大きな意味を持ちます。

 農業農村工学会がこの業績を高く評価したことで、今回の受賞に至りました。調査にご協力いただいた方々にお礼を申し上げるとともに、石井准教授と野中教授の今後の益々のご活躍を祈念いたします。

学会賞1

授与式後の集合写真(後列の左から5人目が石井准教授)

保永展利講師が日本地域学会奨励賞を受賞

学会賞2 農林生産学科の保永展利講師が、日本地域学会より奨励賞を授賞され、2014年10月3日~5日に麗澤大学(千葉県柏市)で行われた日本地域学会第51回(2014年)年次大会において授賞式が行われました。写真:保永講師(前列右)とその研究室の学生

 日本地域学会奨励賞は、「将来への発展の可能性を十分に有すると判断できる地域科学に関する萌芽的論文を表彰する」もので、原則として毎年1名の若手研究者に与えられます。受賞論文は、「中山間地農業における農村ビジネスの成長性分析―Malmquist生産性指数の計測による分析―」です。中山間地農業の成長性を動学的に解明する研究として、理論的かつ定量的に分析した業績が地域科学および学会の発展に寄与するものと評価され、今回の受賞となったものです。

内田和義教授が地域農林経済学会賞を受賞

学会賞3 農林生産学科の内田和義教授は、第64回地域農林経済学会大会(京都府立大学、10月18・19日)において、地域農林経済学会賞を受賞しました。写真:内田教授と学会賞の表彰状

 受賞対象である『日本における近代農学の成立と伝統農法―老農船津伝次平の研究―』(農文協、2012年)は、前著『老農の富国論―林遠里の思想と実践―』(農文協、1991年)(1993年度日本農業経済学会賞)と対をなす研究業績です。

 明治時代、日本の農業の改良のために老農と称される人たちが全国的に活躍します。その双璧をなすのが林遠里と船津伝次平です。同じ老農でありながら、二人は対照的な軌跡をたどります。林が一生を在野で終えたのに対し、船津は40代で官途につき、駒場農学校や農事試験場に勤務します。本書は、船津のこの後半生の事跡を検証することによって、彼がいかなる役割を農学史上に果たしたかを明らかにすることを主要な課題としました。

 本書の研究史上にしめる意義の第一点は、20年という歳月をかけて群馬県の船津家に残る膨大な史料を調査・整理し、それらを徹底的に読み込み、分析し、「難解な老農」と評された船津伝次平の本質を抉り出したことにあります。すなわち船津は、他の老農と違って西洋的自然観に親和的であり、西洋農学への接近を示しましたが、実際には自己の農業経験を最も重視し、農事活動の準拠としており、その意味で典型的な老農であったことを明らかにしました。第2に、船津の最大の業績として、「在来農法を体系化し、若き農学徒へそれを伝授することによって近代農学の成立に大きな貢献をした」ことを具体的に明らかにしたことです。

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