公開日 2022年06月06日

生物資源科学部の共同研究グループが胃を持たない魚類の腸内に生息する細菌の種類を世界で初めて調査しました


生物資源科学部附属センター海洋生物科学部門(隠岐臨海実験所)の吉田 真明 准教授、同生物資源科学部の川向 誠 教授と田部 卓磨 さん(当時大学院生)、秋吉 英雄 准教授(当時、現在は退職)の共同研究グループは、胃を持たない非常に珍しい魚類のヨダレカケが、どのようにして食べ物を消化しているかという謎を解明するために、腸内に生息する細菌の種類を世界で初めて調べました。食べ物としている藻類を分解するために、多くの種類の腸内細菌を腸内に飼っていることを発見しました。胃を持たない代わりに、腸内の細菌を積極的に利用して栄養源を得ていることが、細菌のDNA解析からわかりました。さらに、腸内細菌のVibrio種が、お互いのテリトリーを侵食しないという面白い現象も発見することができました。

詳細はこちら → 報道発表[PDF:352KB]

今回の研究成果は、次の論文として公表されています。
Masa-aki Yoshida, Takuma Tanabe, Hideo Akiyoshi, Makoto Kawamukai (2022) Gut microbiota analysis of Blenniidae fishes including an algae-eating fish and clear boundary formation among isolated Vibrio strains. Scientific Reports 12: 4642.
https://doi.org/10.1038/s41598-022-08511-7

さらに、今回の研究成果は2022年5月31日付の山陰中央新報に掲載されました。

また、本研究は以下の研究助成金のもとでおこなわれました。
日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C) 「藻食性魚類腸管内微生物の有効活用を目指した海洋生物資源利用に関する基礎的研究 (17KT0148)、代表:秋吉 英雄、分担:川向 誠、吉田 真明」
ニッスイ研究助成(代表:川向 誠)
三島海雲記念財団学術研究奨励金(代表:吉田 真明)

 

 

 

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