生命科学科

 

生命科学の探求

 生命科学科では,微生物から動物・植物に至る多様な生物が示す様々な生命現象についての基本的な理解と根本原理の解明をめざすとともに,これら生物が有する様々な有用機能を食品・化学工業,医薬・農薬製造業などの生物・化学産業に役立てるための教育と研究を行います。生命現象の不思議さを追求し応用する過程を通し,論理的思考力,問題解決能力を身に付け,社会で活躍するための資質能力を向上させることができます。

教 育 の 特 色

 生命科学科では,生命科学の基礎から応用までを幅広くしっかり学べるように,授業の種類を豊富に用意しています。1年次には基盤科目や生命科学基礎セミナーで基礎学力を涵養し,さらに2年次からは特色のある4つの教育コース「細胞生物学」,「水圏・多様性生物学」,「生命機能化学」,「食生命科学」のうちのいずれかの教育コースを選択することで,より専門的な知識を身に付けることができます。「細胞生物学」と「水圏・多様性生物学」の2コースは連携しており,生物学を基礎とした理学的教育に重点を置いた生物系カリキュラムを提供します。生物系2コースは,附属生物資源教育研究センター海洋生物科学部門(隠岐臨海実験所)と連携しており,実験所の教員の指導のもとで卒業研究を行うこともできます。一方,「生命機能化学」と「食生命科学」の2コースも連携して,生物学と化学を基礎とし,生命の仕組みを食品・化学工業,医薬・農薬製造業などの生物・化学産業へと応用可能な農芸化学的教育に重点を置いた生命工学系カリキュラムを提供します。また,生命科学科は,総合科学研究支援センター遺伝子機能解析部門と教育・研究で連携しており,センター教員の指導が受けられる学際的卒業研究も行っています。 

選べる4つの教育コース

細胞生物学コース
 細胞生物学コースでは,細菌や原生生物から動・植物まで幅広い分類群を対象とし,それら生物が示す様々な生命現象を分子・細胞・組織・個体レベルで捉え,理解する能力を育み,ライフサイエンスの発展に寄与し,様な分野で活躍する人材を育成することを目標にしています。生物の分子・生理・発生機構の分析を通して,現象の背後の論理を理解し,「How」に答えるための論理的な思考能力・観察能力・洞察力などを養います。
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水圏・多様性生物学コース
 日本海から宍道湖・中海を含む湖沼河川まで多様な水域とその周辺の陸環境がもつ豊かな生物多様性を基礎科学の観点から捉え,理解する能力を育み,生物資源の持続・有効利用と環境保全に寄与し,この分野を牽引する人材を育成することを目標にしています。生物多様性の進化・維持機構及び生態系における多様性の機能を実験・観察・数理的分析を通して理解することで,「How」や「Why」に答えるための論理的な思考能力を養います。
水圏・多様性生物学コースオリジナルサイトはこちら

生命機能化学コース
 生命現象は,生命体内に存在する多様な分子の働きが複雑に組合わさることで引き起こされます。そのメカニズムを生物と化学の両方の視点から理解し,有用な機能として医薬系や化学系の分野に応用する知識と技能を有した人材の育成を目指します。生物学,化学及びその融合分野の基盤的・専門的科目を重点的に履修します。。
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食生命科学コース
 食品に含まれる栄養成分や有用成分を人体が活用する仕組み,食料の生産に寄与する生命の仕組みなど,食に関係する生命現象を理解し,食品やバイオテクノロジーの分野に応用する技能を有した人材の育成を目指します。生物学と化学に関する基盤的科目に加え,食品,栄養,微生物,細胞培養などに関する専門科目を履修します。
食生命科学コースについて詳しくはこちら

入学者受入方針

 生命科学科では,生命が織りなすさまざまな現象について分子,細胞,組織,個体,生物集団など多様な階層での理解を深め,そのメカニズムを探究し,生命科学分野における正確な知識の普及や新たな概念の創出,あるいは生命を解析する技術を生物資源の利活用へと発展させる意欲がある,次のような人を求めます。
 1.高等学校卒業段階の基礎的な学力を十分に身につけている人
 2.自ら学ぼうという学習意欲,論理的な思考とそれを表現する能力を有する人
 3.生命現象への探究心や科学的好奇心に富んだ人
 4.修得した生物学や化学に関する知識・経験ならびに科学的な考え方を活かして将来,教育,産業,公共等の分野で活躍し,社会に貢献する意欲のある人

 

カリキュラム

 生命科学科では,1年次に自然科学系学部共通科目及び基盤科目を履修した後,2年次からは,生物学を主体とする2コース(細胞生物学コース,水圏・多様性生物学コース)及び生物学と化学を主体とする2コース(生命機能化学コース,食生命科学コース)のいずれかのコースに所属して専門教育を学びます。3年次後期からは各研究室に配属され,卒業研究の実施に向けた活動が始まります。

生命科学科履修モデル