公開日 2025年12月11日
生物資源科学部 山口陽子助教らは、原始的な脊椎動物ヌタウナギの嗅覚関連受容体の多様性を解明しました
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私たちはにおいの情報を頼りに食べ物を探したり危険を察知したりする能力を持っています。その土台になっているのが嗅覚関連受容体と呼ばれるタンパク質です。島根大学生物資源科学部の山口陽子助教、大学院自然科学研究科の加嶋広武さんと筑波大学・理化学研究所の共同研究グループは、原始的な脊椎動物の特徴を多く残しつつ嗅覚系を発達させたヌタウナギに着目し、嗅覚関連受容体を網羅的に調べました。その結果、特定の嗅覚関連受容体の遺伝子の数が独自に増加していることや、初期の脊椎動物がこれまで考えられていた以上に多様な嗅覚関連受容体を持っていた可能性を見いだしました。本研究により、脊椎動物の嗅覚系の進化に関する理解が深まると期待されます。
詳細はこちら → 報道発表[PDF:1.05MB]
今回の研究成果は、次の論文として公表されています。
Hirofumi Kariyayama, Ooi Yusuke, Hiromu Kashima, Taiki Nakanowatari, Riho Harada, Yoko Yamaguchi, Daichi G. Suzuki (2025) Hagfish olfactory repertoire illuminates lineage-specific diversification of olfaction in basal vertebrates. iScience.
DOI: 10.1016/j.isci.2025.114118
参考リンク(「持続可能な開発目標(SDGs)」に対する本学の取り組み)
https://www.shimane-u.ac.jp/introduction/policy/sdgs_files/14/14_6.pdf
(生物の環境適応能力のしくみを探る:海で生きるということ)
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