学部概要(平成24年度~平成29年度入学者)

生物資源科学部

理念・目的

学部の理念・目的

 1995年、生物資源科学部は、全国の国立大学には類を見ない「生物、生態、生命、生産、生活を包含するライフを総合的に科学する学部」として創設されました。以来、人間社会と広範で多様な関係を有する生物・生命を、広い意味での資源として捉え、生命現象の基本原理から、生物資源の育成、利用、開発、保全とそれを育む環境など広範囲にわたる教育研究を行ってきました。それから17年あまり経過した2012年、生物資源と地域資源の活用・創造・循環・管理の実現をより明確にした「農林生産学科」と「地域環境科学科」を新設し、既存の「生物科学科」と「生命工学科」との連携を強める教育・研究を行うことにより、新世紀の社会的要請に応える人材を育成していくことにしました。これまでと同じような自然を克服するという姿勢では、もはや抜本的な解決策を見出すことは出来ません。自然と調和し、生物多様性にも配慮しながら多くの生物と共に生きるという基本認識に立って解決策を考えることが強く求められています。そのために、生物資源科学部に入学された皆さんは、学問の基礎から応用に渡る広い範囲で研鑽し、様々な問題を自主的に解決できる能力と想像力、空想力また創造力を身につけましょう。

学位授与の方針

 本学士課程では、全学共通教育と専門教育を通じて豊かな教養と幅広い専門知識を身につけ、以下の能力を獲得することを求めています。

  1. 自由と人権を尊重し、地域社会並びに国際社会の成員として平和で民主的な社会の構築に貢献することができる能力
  2. 生物、生命、生産、環境分野に関する科学的基礎力を備え、総合的視点と批判的思考に基づいて複雑な自然現象、社会現象を解析して、真理の探究、現代社会の課題解決に主体的に取り組むことができる能力

教育課程編成・実施の方針

 本学士課程には、生物科学、生命工学、農林生産学、地域環境科学の4学科を置き、さらに専攻する分野に応じて生物科学科に1、生命工学科に1、農林生産学科に4、地域環境科学科に3の教育コースを設けます。本学士課程では、その学位授与方針に基づいて学位を授与するために、各教育コースの教育目標に応じた教育課程を編成し、担当教職員が相互に協力しつつこれを実施します。教育課程は、専門教育と全学共通教育の密接な連携のもとに、以下の科目を体系的に組み合わせることにより編成されます。

  1. 専門教育は、基盤科目と専攻科目により構成されます。基盤科目は、生物資源科学における基礎力と総合的視点を育成するために、学科・教育コースを問わない学部共通科目として開講されます。専攻科目は、各専門分野におけるより高度な専門知識・技能を修得するとともに、批判的思考力や問題の発見・解決能力を涵養することを目的として開講され、教育コース毎に講義、演習、実験・実習を体系的に組み合わせて実施します。
  2. 全学共通教育では、基礎科目として「外国語」、「健康・スポーツ、文化・芸術」、「情報科学」、また教養育成科目として「人文・社会」および「学際」分野の科目を必修とします。これらの科目は、専門教育科目と合わせて教養ある社会人として必要な幅広い知識、思考力、コミュニケーション力を涵養するために開講されます。
  3. 地域の恵まれた環境を生かして、附属生物資源教育研究センターを中心とした多様なフィールド教育科目を提供します。これらの科目では、自然現象を素直に感受し、その摂理を創造的に解析する力、生物・生命・生産・環境に関する諸問題を総合的に捉え、解決する力を養います。

入学者受入方針

 21世紀を担う多くの若人の中で、水の惑星・緑の地球を大切にする情熱に燃え、「生物、生命、生産、環境」に興味を抱き、真理の探求心が強く、やる気に満ちた諸君の入学を待っています。

生物科学科

入学者受入方針

 21世紀を担う多くの若人の中で、水の惑星・緑の地球を大切にする情熱に燃え、「生物、生命、生産、環境」に興味を抱き、真理の探求心が強く、やる気に満ちた諸君の入学を待っています。 生物科学科 入学者受入方針 生物科学科では、多岐にわたる生命現象を、生物集団から個体、細胞、さらには分子に至る種々のレベルから捉え、理解する能力を育むことを目標としています。そのために、学生の皆さんが、(1)様々な生物科学の知識を統合し、自ら設定したテーマを実験・観察を通して主体的、多面的に探究すること、(2)研究成果を発表し、互いに議論を交わすこと、(3)生命現象を科学的に学び、探究する者として果たすべき社会的責任について考え身につけること、ができるようなカリキュラムを編成し、教育を行っています。このカリキュラムにおいて十分な学習成果をあげるために、生物科学科では高校までに習得すべき基礎学力を備え、生物科学を学ぼうとする強い意欲を持ち、生命現象を深く探求しようとする科学的な好奇心に富んだ人を受け入れます。

入学後の教育

 生物科学の基礎から各分野におけるより高度な専門までを身につけることができます。そのために、少人数でのセミナー科目・実習などを取り入れたカリキュラムを用意しています。

卒業後の進路

 研究所、官公庁、教育機関、食品・製薬会社、環境関連会社などで多数が活躍しています。また、卒業生の半数近くは、さらに高い専門性を身につけるために大学院へ進学しています。

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生命工学科

入学者受入方針

 生命工学科では、動物、植物、微生物など多様な生物が持つさまざまな生命現象を分子・細胞・生体のレベルで解明し、その成果を社会に広く還元し、生物産業や化学産業等に応用発展させるために必要な素養を備えた人物の育成を目標としています。そのために、生物学と化学の知識を基盤に、ライフサイエンスとバイオテクノロジーの基礎から応用までを学び、自ら洞察する力を養うためのカリキュラムを編成しています。このような観点から生命工学科では、高等学校における理科を中心とした基礎学力を十分に備え、ライフサイエンスとバイオテクノロジーに強い関心を持ち、熱意と意欲を持って学習・研究し、将来この分野の知識と経験を生かして活躍したい人を受け入れます。

入学後の教育

 充実した研究施設を駆使し、多様な講義・実験・演習、及び卒業論文研究を通じて、ライフサイエンスとバイオテクノロジー分野の基礎力の養成と開拓的研究力の発展を目指します。

卒業後の進路

 生物産業に関わる食品・医薬品関連企業及び研究所、官公庁、中学・高校等の教育機関などで活躍するほか、卒業生の多くがより専門を極める大学院へと進学しています。

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農林生産学科

入学者受入方針

 自然、生物、食に関して興味があり、農林業に関する知識・技術・研究・普及に対して熱心に取り組もうとする意欲を持ち、他者を大事にする誠実な人を求めています。農林生産学科で学んでいくためには、高等学校卒業程度の基礎的な学力を十分に身につけ、優れた能力を有していることが必要です。このような方針に基づき、一般入試では高等学校における基礎学力を十分に備えた人を、推薦入試では学業とともに人物が優秀な人を受け入れます。

入学後の教育

 農林業とそれを取り巻く生態系に関するフィールド学習を含む幅広いカリキュラムを通して、国内外の農林業生産について総合的に学びます。本学科は、農業生産学、森林学、農林生態科学、農村経済学の4つの教育コースからなり、相互に連携しながら専門性を高める教育と研究を行います。

卒業後の進路

 大学院進学、中学・高校の教員、国家・地方公務員、博物館学芸員、JA、森林組合、森林公社、食品、種苗、飼料、農薬、医薬、機械、住宅設備、造園、環境コンサルタントなどの農林関連企業・団体、農林自営業などを目指します。

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地域環境科学科

入学者受入方針

 資源と環境を適切に保全・管理しながら持続的に利用する環境調和型社会の創造に関心を持ち、その実践のために必要となる専門的知識や技術を学ぼうとする意欲のある人を求めています。一般入試の前期日程では数学や理科をはじめとする基礎学力を十分に備えた人を、また後期日程では基礎学力と目的意識を兼ね備えた人を受け入れます。推薦入試では学業成績と人物がともに優秀で、旺盛な学習意欲と明確な目的意識を持った人を受け入れます。

入学後の教育

 環境調和型社会の確立を目指し、土・水・生物などの地域の資源や生活環境を適切に調査・評価し、総合的に保全・管理するための知識と技術を習得します。本学科は、宍道湖・中海や中国山地などの豊かな自然と食料生産の基盤である農山村地域をフィールドとして、実践的な教育を行います。

卒業後の進路

 大学院進学、国家公務員(国土交通省、農林水産省)、地方公務員(県、市町村)、教員、JA等農林業団体、環境関連企業、製造業、青年海外協力隊、コンサルタント会社、情報・機械・電気関連企業、食品・化学関連企業、建設関連企業

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