公開日 2024年02月20日

生物資源科学部EMSニュース2024年2月号

◎ 「地球を守りながら、私たちの未来を築く - EMSと廃棄物削減の一歩」

 今年1月1日に発生した令和6年能登半島地震は、石川県を中心に北陸地方の多くの市町村で大きな被害を発生させるとともに私たちにとって大きな衝撃をもたらしました。地震によって生じた災害廃棄物の量は約240万トンと推計され、その処分が完了するには令和7年度末までかかるとされています。この未曽有の大災害を通じて、環境マネジメントシステム(Environmental Management System, EMS)の重要性について考えることは大いに意義のあることと思われます。
 
 EMSとは、組織が環境への影響を管理し、継続的な改善を図るための仕組みと考えられています。能登の地震では、地域全体が被害を受け、自然環境が大きく変化しました。地震によって引き起こされた環境への損害は、廃棄物の増加や水質の悪化など多岐にわたります。このような災害の発生に備え、環境へのリスク管理がますます重要になっています。EMSを導入して適切に運用していくことは、事前にリスクを評価し、災害に備えた対策を講じることに有効だと思われ、被害を最小限に抑え、復旧作業を迅速かつ効果的に行うことが可能になると考えられます。
 
 また、EMSは環境への配慮が求められる現代社会において、組織の社会的責任を果たす一環とも言えます。環境に配慮した活動は、持続可能な発展に寄与し、地域社会の信頼を築く基盤となります。災害時においても、日頃のEMSの自己点検・記録に基づく早期の業務復旧に加えて、環境に対する取り組みが地域社会に評価され、復興に向けたサポートが得られやすくなるでしょう。
 
 能登の地震を受けて、EMSの導入と運用は、地域社会にとってますます不可欠なものと再認識されています。災害に対する備えとしてのみならず、環境への責任を果たし、地域社会と共に持続可能な未来を築くために、本学においてもEMSの重要性を再認識し、積極的に取り組むことが求められています。
 
 https://www.env.go.jp/saigai/noto_earthquake_202401/index.html
 
 島根大学生物資源科学部
 環境マネジメントシステム対応委員会委員長 松本真悟

 


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